鯉
青空を悠々と泳ぐこいのぼり。
最近ではあまり見かけなくなっているが
みかけると
なんだかうれしくなる。
鯉は生命力が非常に強く
寒さにも負けない。
陸に揚げられても
長時間生きられる。
「淡水魚の王様」と呼ばれるゆえんだろう。
そのたくましさは
中国の有名な故事「竜門の滝」にも描かれる
「竜門と呼ばれる滝を登り切った鯉は竜になる」という
立身出世を象徴する伝説だ。
滝の落差は300メートル以上。
流れは、放たれた矢よりも速い。
その上
漁師や飢えた鳥たちから命を狙われる。
困難に負けず、人間として向上し続けることは
それほど難しいというたとえだ。
青空を泳ぐイメージの鯉だけど
鯉が泥水でもすめる魚だとご存じだろうか。
スイスイと
世の中を器用に泳ぐような人にならなくていい。
「何のため」の理想を忘れず、
泥まみれになってもいい
人間性の高みへのぼり続けることのほうがはるかに美しいと思う。
生徒たちはたくましい鯉のように育ってほしい。