長所
簡単な〝手品″を一つ。
握った手にハンカチをかぶせ、
中心をつまんで引き上げる。
リボンや花が出るわけではない。
ハンカチ全体が引きずられて上がっていく
これを見せながら、教育者は語る。
「子どもには、長所や得意とするものが必ずある。
一つでいいから見つけ、ほめてください。
一点を引き上げることで、
大きく成長を促すことができるのです」
次に、握った手の下から指を入れ、
中心をつまんで引くと、
ハンカチは手の中を通って滑り落ちる。
欠点のみを責めると子どもは、
やる気と自信をなくし、ますます落ち込んでいくという。
学習においても同様だ。
ただし、実際は何でもほめればいいというわけでもない。
ほめる材料がないときには
ほめられる材料をつくる働きかけも必要だ。
うちの塾の中1はいま、相当量家庭学習をやってもらっている。
毎日きちんとやって報告する。
中途半端にやっている生徒は授業に参加させないで帰ってもらう。
こっちも本気だから。
きちんとやってきた生徒には
しっかりとほめる。
でも、この「自学」できるという1点は
相当な成長をもたらしてくれる。
2年生になったとき、受験のときを楽しみにしてほしい。
これが武器であり、長所になってもらいたいと思う。
それをいっしょに作り上げていきたい。