生きる姿勢
ある家に下宿している学生が
キャッチボールをしていた。
その姿を見た家の主が言った。
「君、命がけでやり給え!」
『宮本武蔵』等の作品で知られる
吉川英治氏である。
氏の長男で
吉川英治記念館館長の吉川英明さんが
紹介したエピソード。
「大袈裟と言えば大袈裟ですが
父は、何事にも全身全霊で取り組め
と言いたかったのでしょう」
生きる姿勢は大切である。
英治氏は
宮本武蔵を
「今日忘れられている神経を持っている人間」
と語っている。
今の人々には
「自分を信じ
人を信じ
自分の仕事を信じ
自分の今日の生活を信じて行く
というような信念」が弱い。
わが道を真っすぐに進む武蔵を描くことで
「ぼくらの神経が覚める」と。
80年以上前の警句だが
現代にも通じる。
自分の力を信じ
自分で引き出すことは
簡単なようで最も至難。
が、その努力を続けてこそ
初めて自分を確立することができる。
また
自分を信じることができるから
人の素晴らしさを信じることができる。