柿
私は両親とも奈良出身だ。
奈良県は昨年の柿の生産量ランキングでも
上位に食い込んでいるように
奈良県は柿で有名である。
1位 和歌山 39,700t 21.1%
2位 奈良 28,300t 15.1%
3位 福岡 15,800t 8.4%
「柿むく手 母のごとくに 柿をむく」西東三鬼の句だ。
私もそうだけど、
たわわに実った秋の味覚に
母と過ごした郷里を思い出す人も多かろう。
渋柿は渋味が強く
とても食べられない。
タンニンと呼ばれる成分のためだ。
だが柿を日光に触れさせたり
ヘタの部分を焼酎につけて寝かすことで
タンニンの渋味が抑えられ
おいしく味わうことができる。
それだけじゃない。
味だけでなく
価値も増すのだ。
でも、さすがにこんなのはとても買えない。
「渋味」を「甘味」に。
「苦」を「楽」に転じゆく
人生のドラマに重ねたくもなる。
もし現在が渋柿のようであるならば
そのままではダメ。
ひと手間かけてみてほしい。
「渋」が「甘」に変わる日が必ず来る。
そのときには必ず価値も増しているから。