11月にオープンした8畳の塾
安政4年の11月
吉田松陰が8畳の塾舎で松下村塾を始めた。
当時、城下町には多くの学者がいた。
たくさんの塾があり
たくさんの先生がいたのだろう。
その中で
若者に与えた松陰の影響力は突出していた。
吉田松陰はその半生を旅に費やし
足跡をほとんど全国に印した。
松陰には
机上の空論をもてあそぶ姿勢など
みじんもなかった。
どこまでも
行動また行動
挑戦また挑戦の中で養った”生きた見識”で
人を感化する先駆者だった。
ゆえに
塾生たちは心底彼を慕ったのだろう。
「青年は教えられるより、刺激されることを欲する」
とゲーテは語った。
若い感性は鋭い。
先生が”何を言ったか”以上に
“どう行動しているか”を
敏感に見つめているものだ。
だからこそ
手本となる私たち大人は
絶えず自身の向上に努めたい。