魂柱(こんちゅう)
バイオリンの中には「こんちゅう」がいる。
といってもムシの話ではない。
「魂柱」
直径1センチにも満たない
丸い木の棒のことだ。
表板と裏板の間にはめ込まれている
この一本の棒。
胴体の奥にあるため
ふだんは外から見えない。
だが
弦の振動を胴体に伝える重要な役割を果たし
その位置の微妙な変化が
楽器の音色や音質を左右するという。
ビオラ
チェロ
コントラバス。
バイオリンと同じ姿の
これら弦楽器の中にも
この「魂の柱」が立っている。
弦楽器の世界的名器「ストラディバリウス」が作られたイタリア。
ここでは
その棒を「アニマ」と呼ぶ。
アニマとは
「魂」「心」「生命」の意。
どんな名器も
この棒がなくては
本来の音が出ない。
楽器作りに
心血を注ぐ職人たちの
祈りにも似た思いが伝わってくるようだ。
見えないもの
表に現れないものが結果を決める。
まさに、音楽がそうだ。
そして、受験も同じだ。
その成否を決めるのが
見えない小さなものだと
心に刻んでおきたい。
さあ、今日も磨き上げていこう。