雨とでこぼこ道
受験やテストなんてなければいいのに・・・・・
こんな風に嘆く人がいます。
じゃあ、どういう人生を送りたいのと訊いてみると
楽しいことだけの人生を歩みたいとのこと。
でも、今その人が考えている楽しいことって
本当に楽しいことなのでしょうか。
生花店を営む方が語っていました。
「花を育てるようになって、
雨の日が好きになったという人は多いんですよ」
なるほど。
多くの人は雨よりも晴れの方がいいと思うでしょう。
でも植物にとっては
雨は恵みの雨なのですね。
人間にとっての
試練や苦労もまた、
幸福の花を咲かせるための”雨”と思えば、
捉え方も変わってきます。
うちの塾の卒業生から
先日、大学合格の報告がありました。
高校受験では第一志望校に合格ができませんでした。
入学直後は少し不貞腐れていたそうです。
でも、がんばって文武両道の3年間を過ごしました。
インターハイにも出場し
都内の難関大学に合格を決めました。
今では心の底からよかったと思っているとのこと。
「もし」仮に第一志望校に合格していたら
同じくらい充実した高校生活が送れたのでしょうか。
同じ大学に合格できていたでしょうか。
答えは分かりません。
分からなくていいのです。
大事なのは
「ここでよかった。」
「ここがよかった」
と今思えることではないでしょうか。
私は
運命じゃないと思って進んだところにも
運命があると思っています。
おもしろさで比べるならば
人生は、きれいな道より、でこぼこ道の方がおもしろいのです。
つらいと思う時は成長している証しです。
人知れず流した悔し涙、
一人もらした落胆のため息……
その全てを”成長の雨”にして自分の花を咲かせるのです。
一つ一つ、色や形は違う。
けれど、どれも厳しい冬を越えて咲く”春の花”。
楽しいことだけの人生では
その花を咲かせることができないと思いませんか。