覚悟
マスターキートンというマンガが好きだ。
大分昔のマンガなので知らない人も多いと思う。
ヤワラを書いた人が書いた作品だといっても、
そもそもヤワラって何と聞かれてしまうと答えに困ってしまう。
マスターキートンには
ときどき名言がでてくるのもいい。
それらの名言の中でもよく覚えているのが、
「取り返しのつかない人生はない」という言葉だ。
どんな状況からでも人は幸福になることができると解釈している。
なぜ、マスターキートンのこの言葉を思い出したかというと、
月性(げっしょう)という幕末に生きた僧の言葉を目にしたからだ。
月性は、私塾の大先輩でもある。
幕末に私塾を開き「西の松下村塾、東の清狂草堂」と並び称され、多くの門人を輩出している。
その言葉は「学、もし成らずんば死すとも帰らず」というものだ。
その意味は、学問を志したら、学問が成すまで、
死をもってしても、あきらめて故郷に帰ったらいけないというものだ。
死すとも帰らずとは、例えであり、覚悟の程度だと思う。
それぐらいの覚悟で学べば、
生活の中で学びの優先順位は最上位に位置することになるだろう。
すると、その成果も現れてくるのがはやいだろう。
これは現在に生きる私たちも見習うべきことではないだろうか。
学生は学ぶことが仕事だ。
親元で学ぼうとも
学ぶべき時に覚悟をもって学ぶことが大切なのだ。
中途半端はもったいなさすぎる。
どうせ学ぶのならばとことん学んだほうがいいということだ。
それくらいの覚悟で取り組んでいることが前提で、
「取り返しのつかない人生はない」という言葉が意味を持つのではないだろうか。
たとえ絶望するようなことがあったとしても
決して心だけは折らないこと。
そうすることで、人生は何度でも輝きを放つものなのだろう。
この2つの言葉は矛盾しない。
それを生徒たちに伝えてあげたい。