褒めること
マラソンの小出義雄氏が
マラソンにのめり込んだきっかけは
「お前は駆けっこが速いな。すごいぞ!」
小学校の担任からこう褒められたことだったそうだ。
以来、先日の4年前の逝去直前までマラソン一筋の日々を歩んだ。
高橋尚子さんや有森裕子さんをはじめ、
世界的なマラソンランナーを育て上げた氏。
その指導方針は「褒めて伸ばす」
個性やタイプに合わせた練習内容を組み
褒めるタイミングに心を砕いたという。
例えば練習好きだった高橋尚子さんには、
あえてハードなメニューを課した。
その中で、苦しそうな表情をした瞬間に、
すかさず「いいフォームだよ」と声を掛ける。
すると笑顔が戻り、
練習の質も向上していく。
こうして無名だった彼女は才能を開花させ、
世界一のランナーに育った。
「褒める」と「おだてる」は
似ているようだが、全く違う。
「褒める」は、
相手を知らなければできないからだ。
相手の努力や苦労を理解し、
その心に寄り添いつつ、
的確に評価する。
褒める側の眼力や人間力も問われる。
私も生徒たちを時を逃さず褒めていきたい。
生徒たちはみんな、褒める材料を日々コツコツと作っていってほしい。