裸の王様
童話「裸の王様」を知っていますか。
王様は裸だけど、誰も裸だとは言えない。
裸であるのは誰にでも分かる、でもそれを言うことができない。
だから、王様が裸だってことは「暗黙の了解」。
こんなのは童話の中だけの話だって思っていませんか?
実は、これと同じようなことが埼玉県の高校受験の世界にもある。
「確約」制度。
存在するのに存在していないとされている制度。
文科相には確約制度は存在しないと報告されているらしい。(報告したのはさいたま市の塾と県内私立進学校2校)
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1360594.htm
この時にこの制度を完全に潰さなかったのは、この制度の存続メリットが大きいため。
だから、これからもこの状態で制度は続いていくだろう。
存在しないけれど存在するっていう状態で。
こんな経緯で確約制度のことは学校では教えてくれない、というか教えられない。
だって、ないはずのものだし、あるかどうかきかれたら、聞かれたら「ない」と答えなければならないから。
そもそも30年前に偏差値追放して以来、偏差値を使った指導と合格の可能性の言及はご法度だから。(公的テストで偏差値は復活していますが、これは別の機会で)
確約制度のことをどう思いますか?
あれば安心?
ないほうが緊張感があっていい?
私はみんながこの制度のことを知っているのならば、とても優秀な制度だと思う。
でも、もしだれかこの制度のことを知らないで受験に臨む人がいるのならば、それは不平等なことなので、制度をなくしたほうがいいと思う。
確約制度について簡単に説明すると、
私立高校で行われる「個別相談会」に参加し、模試の成績表と3年生の通知表を確認してもらう。
基準を超えているようならば、合格を約束してもらえる。
これがあれば、他校を安心してチャレンジすることもできる。
万が一失敗しても、行き場がない最悪の状況を回避できるから。
中学受験や大学受験では考えられないような安心制度。
以下、確約あるある。よく読んでくださいね。
①そもそも「確約」って言葉は使わないのが「暗黙の了解」。裸の王様だから。
だから個別相談会ではふつう「確約」っていう言葉は使わない。
これを知らない人は、個別相談会のあとに頭の中がはてなマークになってしまう。
ここで大切なのは、個別相談会では「確約」という言葉を使わないで「確約」を理解しあうこと。
向こうが出してくる「確約」のニュアンスをしっかりと受け取ることが大事。
よくあるのは「安心して受験してください」って言われたら確約っていう合図。
当然、確約を証明する文書などは発行されない。
②1校だけしか確約が取れないと思っている人がいる。
それはちがう。
何校でも取って構わない。
ついでを言うと、確約をとった学校を受けなくても構わない。
確約もらったといっても受験義務は発生しませんから。
そもそも、埼玉県は昔も今も「公立王国」って言われるくらい公立高校が強い。
昔はもっとそれが顕著だった。
だから、ある私立高校が思いついた。北辰テストを活用することを。
これが「確約」の始まり。
他校が追随。みんな横並び。
並ばなかったのは、慶応志木、早大本庄、立教新座だけ。
今回はここまで。
最後までおつきあいありがとうございました。