自己の尊厳
フランスの思想家シモーヌ・ヴェイユは25歳の時
労働者の実態を体験したいという望みから
未熟練工として工場で働く。
しかし、四六時中、監視され罵倒される環境は
自身を「奴隷」と思わせてしまうほど
彼女の精神状態を変化させた。
それでも働き続け
工場体験を終えた翌年
彼女は
「わたしは、やがて自分がなんとか自分をとりもどせる日まで、
こういう生活を耐え忍ぼうと自分で誓いをたてたの。
この約束は守ってきたわ」と、ある夫人に手紙を書いている。
「外面」は、奴隷と感じさせるほどの生活。
しかし、その劣悪な労働環境と格闘し
「内面」では「自己の尊厳」を彼女は確立する。
自らの力で手に入れた「尊厳」である以上
それは誰人も侵すことができない。
目前に苦しい状況がある時
ややもすると
その現実から逃げてしまいがちだ。
しかし
逃避する自身を変革しない限り
苦しみは常につきまとう。
どこかほかによい場所があるのではない。
今いる場所が
人間錬磨の道場だ。
そこで戦い、もがき、すすんでいく中に
本当の自分の居場所があることを忘れまい。
さて、話題は変わって男子校の話。
20年で半減だって。
NHKが特集をしています。
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