自分自身の勇気
視覚と聴覚の両方に障害のある人は盲ろう者と呼ばれる。
ヘレン・ケラー(1880-1968)は多くの人に知られている。
しかし、現代の日本にも
9歳で失明、18歳で失聴するという苦難を乗り越え
世界で初めて大学のフルタイム教員となった人がいる。
福島智・東京大学教授だ。
福島氏の生い立ちを映画化した『桜色の風が咲く』(松本准平監督)は
昨年11月に全国の劇場で公開された。
文部科学選定、おススメだ。
“それは、まるで真っ暗な宇宙空間に放り出された感じ”。
福島氏が全盲ろうになった時のことをこう述懐している。
“全盲ろう者になり、二つのことを学んだ”と、かつて東大の入学式の祝辞で述べている。
一つは「人間は一人ぼっちでは生きていけない」
光と音を失った福島氏にとって多くの人に支えられての成功であった。
支えは、感謝の心へと変わり、前進の力となったはず。
もう一つは
「どのような困難な状況にあっても
可能性がゼロになるということはない。
チャレンジし
現状を変革していく可能性は必ずある」
何よりも「自分が励ます側」にいることが素晴らしい。
幸、不幸を決めるのは環境ではない。
あくまでも自分自身である。
自分自身の勇気である。
ちょっとやそっとじゃ
不幸を名乗ってはいけないと
肝に銘じたい。