紅葉
春に桜前線があるように
秋には「紅葉前線」がある。
列島が北から南へ色づく季節である。
なぜ紅葉を「もみじ」と読むか。
明治期に編集された国語辞書『言海』の改訂増補版『大言海』に
こうある。
「色ハ揉ミテ出スモノ
又、揉ミ出ヅルモノ、
サレバ、露、霜ノタメニもみいだサルルナリ」。
かつての人々は
露や霜に洗われた葉の中から色が揉み出されると考えた。
例えば布を染める時
紅花染めでは花を水に浸け
もんで洗ってを繰り返す。
そうした染色の工程から
連想したのかもしれない。
初夏の青葉から
時間が経過して
苦労や努力をしたからこそ
にじみ出てくるものがある。
にじみ出るものがまだない人は
今から苦労や努力を始めればいい。
紅葉だって
早く始まったり
遅かったり
違いがあるのだから。
自分の努力と頑張りを染め上げていこう。