目的と目標
目標達成に懸命な青年に、
その目的を問い掛けてみた。
「とりあえず立てた目標なので、
達成することが目的かな?」と、
頼りない答えが返ってきた。
目標を達成することが、
当面の生きる目的だという生き方が気になる。
それでは目標が達成できなかった時、
次に進む方向を見失いやすいからだ。
さらには、頑張ってきた自分を否定する感情が生じ、
いわゆる“落ち込む”状態になりがち。
立ち直るにも時間がかかる。
目標と目的は違う。
かつて名門高校野球部の監督が語っていた。
「目標は甲子園出場や、甲子園での勝利」。
だが「目的はあくまで野球を通じての人格の形成」と。
明快である。
目的が明確ならば、
具体的な目標に立ち向かう意欲も高まる。
その一方で、目先の目標達成だけに汲々としていると、
いつしか自分の視野が狭くなり、
挑戦の過程そのものが、
つらく苦しいものになってしまう。
最初から、目的が明確になっている人は少ないかもしれない。
だからこそ、自らの行動について
「何のため」と自問することで、目的は明らかになっていく。
今、取り組んでいることの目標と目的は何か。
どんなに忙しくても、この2点を明確にしていくことが、
「真実の勝利」への直道であることを忘れまい。