物語のチカラ
ドイツの作家エンデの代表作『モモ』は、
時間に追われて人間らしさを失う現代人に
警鐘を鳴らすファンタジー。
だが、エンデは「教訓話にして受け止めないでほしい」と語った。
小説家の小川洋子さんは
「教訓にしてしまうと、
一行くらいで物語を要約することになります。
そういう簡単な一行ですませてほしくない
という気持だったと思います」と補い説明する。
「友情を大切に」と一言で言われるより、
太宰治の『走れメロス』を読んだほうが、
子どもたちは多くの“宝”を手にすることだろう。
時代を超えて読み継がれる良書は、
主人公と一緒にさまざまな出来事や出会いを“体験”することで、
人生を豊かにしてくれる。
それが「物語の力」だ。
読書の秋。
本の世界に飛び込んでみよう。
話は変わって、ピアニストの話。
11歳だって。