杉
私の生まれ故郷、山間地域の奈良・吉野郡には
万葉集にも詠まれた美しい景色が多く見られる。
その風景を彩る一つに吉野杉がある。
日本三大人工美林の一つにも数えられる。
江戸時代の儒学者・新井白石と
国学者・本居宣長は
「杉」の語源に言及している。
白石は『東雅』で「杉はスグなる木也とみえたり。
其木の直なるをいひし也」と
真っすぐに伸びることに由来すると考察。
一方で、宣長は『古事記伝』で
「須岐は進木なり(中略)ただに上へすすみ上る木」と。
上へ進む「進木」と述べている。
2人の論考はいずれも
「杉」の成長力への視点で共通している。
上へ上へと、真っすぐに進んで伸びていく。
その姿は、何ものにもひるまず、
理想に向かって生きよと、
人間の生き方を教えているかに思える。
夏本番到来。
自身の「生命の殻」を打ち破りながら、
勝利の峰へ、真っすぐに進みたい。
夏期講習開始まであと8日だ。