未来を創造できる特権
1997年に自身が理事長を務める
「特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR)」が
主要メンバである「地雷禁止国際キャンペーン」が
ノーベル平和賞を共同受賞した、
長 有紀枝さん。
インタビューの中でこう語っていたのが印象的だ。
「『平和の定義って何?』って聞かれたら、
私は『明日の予定を立てられること』と答えます。
地雷原の周辺に住んでいる子達に
大人になった自分の絵を描いてごらんと言ったら
足のない絵を描くんです。
その子達にとって、大人になるとは
足がなくなることなのです。
そういう苦難に思いを馳せ、生き方を変えることも
平和の文化だと思います。
将来の計画を立て、未来を創造することは実はすごい特権です。
でもその貴重さにはなかなか気づけません。」
毎日の日常の中で忘れていたけれど
日本人は平和の中で暮らしているんだ。
だって
明日の予定を立てられるどころか
来年や10年後の予定も立てられるから。
長さんはこうも語っている。
「今世の中の判断基準が「損か得か」になっている気がします。
では人としてあるべき生き方とは何なのか。
私は得ではなく徳のある生き方が必要ではないかと思います。
それも人が困難に直面する中で見せた勇気とか希望に
私たちは心を打たれます。
どんな立場の人でも、お金がなくても、病気で動けなくても、
示すことができるそうした生き方の輝きは、必ず伝染するし、
影響力は大きいと思う。徳のある生き方をするためにも、
他者と繋がる心のスイッチを切らないで欲しいのです。
スイッチを切る=「私には関係ない」と思った瞬間に
全ての繋がりはシャットアウトされます。
反対にスイッチを入れる=「関係ないとは思わない」
のであればその時々にできることはあるし、
あるいはいつか何かができるできることが必ずあるはずです。」
予定を立てることができない人々がいる。
それを肝に銘ずるべきだと思う。
もうすぐ新しい年がやってくる。
自身の成長の予定を立てられることが
貴重であることを感じながら
来年の予定を立ててみたらどうだろうか。
予定通りに
進んでいくことができるのは
広い世界の中では
とても贅沢なことなのだから。