未完成
最近では、何か始めるときに
しっかりと計画を立てて
実行し
確認修正したりするべきだという考え方がある。
いや、考え方のひとつというよりは
そうであるべきだ、計画性がなければ無責任である
と「原則」のようにされてしまっている。
成功するために調査をし
テストを続けて推論し
方向が決定されても修正を加えながら進行していく。
これは、コンピューターの進化のおかげで
シミュレーションが
ほぼ無限にできることになったおかげも大きいだろう。
論語に冉有という孔子の弟子の話がある。
覇気がなくなかなか実行しない冉有と孔子との問答だ。
「私は先生の説く理想の道を歩むのが
うれしくないわけではありません。
ただ私には力が足りないのです」
「力が足りない者なら、進めるだけ進んでそこでやめる。
しかし今のお前は自分で自分の力を見限っている」
孔子は「進めるだけ進んでそこでやめる」ことを
無責任だと否定しているのではない。
むしろ、始めないこと、進めないことのほうを叱っている。
孔子の時代も、現代も絶対に成功することなどありえない。
計画を立てるのも大事だ。
でも、まずは動くこと。
すべては未完成にしかならないと思いつつ
それでも進めればいい。
限りある人生でできることは、みんなそれなんだと思う。