成人の日

今日は祝日、成人の日だ。

 

うちの塾の一期生たちは今日成人式に出席しているのだろう。

 

本当におめでとう。

 

 

 

 

劇作家の鴻上尚史さんの書いた

 

新成人へのコメントが素晴らしいので紹介したい。

投票率低下に漂う無力感はどこから? 頭に浮かんだのは学校の「ブラック校則」 〈鴻上尚史の月2回コラム〉:東京新聞デジタル

成人の日によせて

 

成人、おめでとう。

 

でも、「大人になる」はどういうことでしょうか?

 

僕は、親や先生や先輩や友達の意見にただ従うのではなく

 

「あなた自身の頭で考えること」だと思っています。

 

自分の人生を自分で決めるということですね。

 

けれど、これはとても難しいことです。

 

だって、日本の若者達はずっと

 

「自分の頭で考えるな」

 

という訓練を受けてきたからです。

 

日本の多くの中学校や高校では

 

「中学生らしい」「高校生らしい」

 

服装や髪形にしょうと言われています。

 

けれど、「高校生」というイメージは様々です。

 

それぞれの人の頭には

 

それぞれのイメージがあります。

 

それを「高校生らしい」という一言でまとめるということは

 

「考えるな」ということです。

 

リボンの幅が3センチは

 

「高校生らしい」が

 

4センチになると

 

「高校生らしくない」

 

ということを論理的に説得できる大人はいないと思います。

 

僕は愛媛県出身ですが

 

「愛媛県人らしい服装をして下さい」と言われたら

 

絶句すると思います。

 

あなたも「出身の都道府県人らしい格好をして欲しい」

 

と言われたら混乱するでしょう。

 

それと同じくらい

 

「高校生らしい服装」というのは定義不能なのです。

 

「服装の乱れは心の乱れ」

 

という日本中でくり返される標語がありますが

 

大人に気付かれないように巧妙にいじめる奴らの服装は乱れているでしょうか。

 

陰湿な奴ほど、ちゃんとした服装をしていじめることをみんな知っています。

 

黙ってブラック校則に従え、疑問を持つな

 

と教えられて来たのに

 

成人する時にいきなり

 

「自分の頭で考える人になって下さい」と言われるのです。

 

ずっと「一人で泳ぐな!」と言われてきたのに

 

成人したらいきなり「一人で泳げ!」と言われるようなものです。

 

それは無理です。

 

僕は、日本の若者に深く同情します。

 

が、嘆いてもしょうがないです。

 

自分の頭で考える訓練を始めるしかありません。

 

そのためには、本を読んで下さい。

 

僕達は、国語の授業でずっと

 

「退屈な本ほど価値がある」と思い込まされてきました。

 

でも、ワクワクドキドキしながら

 

本当面白く、あなたの生き方の役に立つ本が間違いなくあります。

 

本屋さんに行って、面白そうに感じた本の最初の1ページをとりあえず読んで下さい。

 

つまらなければ、すぐに次の本に移ります。

 

それでいいのです。

 

何十冊とくり返すうちに

 

あなたにぴったりの本がきっと見つかります。

 

読書は作者との対話であり

 

あなたの考えを深めます。

 

やがて、「自分の頭で考えること」が身につくようになるのです。

 

さあ、成人して、やっとあなたは自分の頭で考えていい世界に来たのです!

 

鴻上尚史

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