感想戦と解きなおし

将棋の藤井聡太五冠が、世界的な半導体メーカーと広告契約を結んだというニュースを見た。

 

契約のきっかけは、将棋の研究だったという。

 

AIの将棋ソフトでトレーニングをしていることで知られる藤井五冠。

 

パソコンも自作しているという。

 

そのパソコンに

 

処理速度の速いCPUを搭載していることを公言していたことから、

 

そのメーカーとの広告契約に至ったという。

 

 

 

 

将棋のトレーニングにAIが利用されているように

 

小中学生の学習にも同じことがおこっている。

 

昨日は英検対策勉強会を実施したけれど

 

授業形式で伝えなければいけないこともある。

 

そして授業外での演習は

 

スキマ時間を使い

 

タブレットやスマホで

 

やってもらっている。

 

このようなスタイルは

 

英検に限らず

 

今後さらに洗練されていくと思う。

 

 

 

 

さて、将棋の話に戻ると、

 

プロ将棋の対局は、勝敗が決してもそこで終わりではない。

 

棋士は、対局後まもなく棋譜を振り返り、

 

勝負をおさらいする「感想戦」に臨む。

 

1手目から順を追い、

 

互いの打ち方を研究する。

 

敗者からすれば、

 

傷に塩をすり込むようで、

 

悔しさが募るばかりの時間に思えるが、

 

一手一手を検討し、

 

失敗した手を見いだすことが成長につながる。

 

いわば「次の勝利のための反省」である。

 

勘の鋭い人は

 

私が何を言いたいか

 

もう分っているだろう。

 

そう、

 

テストの解きなおしだ。

 

普段からのトレーニングの成果を

 

対局という実践の場で出し切る。

 

それを「感想戦」で改善点を見つけて

 

次の対局に活かしていく。

 

この流れは

 

普段の学習からの

 

テストの解き直しまでの流れと全く同じだ。

 

 

 

 

将棋では、勝負が終わったらすぐに「感想戦」を行う。

 

将棋はいかに全力を出すかを競い合う競技だ。

 

これは子どもたちのテストも同じ。

 

普段、どんなによくできていても

 

本番で出し切れなければ意味がないのだ。

 

だから、感想戦は、対局の直後、

 

まだ余韻が残っている中で始められるのだ。

 

負けた方は悔しさに打ち克って、

 

勝った方は嬉しい気持ちを折りたたんで

 

実戦では現れなかった指し手や敗因となってしまった手、

 

そこでのより良い手など探っていく。

 

勝者も敗者も関係ない。

 

勝ち負けを超えて、最善手を模索し合う。

 

感想戦は、その精神をはっきりと形に表したものなのだ。

 

対局では持ち時間が定められているが、

 

感想戦には時間制限がない。

 

敗者が納得するまで検討が続けられ、

 

敗者が「ありがとうございました」と言って終了する。

 

これもテストと同じ。

 

つまり、解きなおしは、

 

テスト直後に、納得できるまでとことんやるものなのだ。

 

名人たちは、

 

対局では長い持ち時間を使い切るまで考えているから、

 

精も根も尽き果てているはず。

 

すでに疲れ切っている頭と身体をさらに酷使して

 

感想戦に臨むその姿は、

 

勝負に負けた悔しさを超越している。

 

何時間も、深夜に及ぶまで感想戦を続けられるからこそ強くなれるのだと思う。

 

これもテストと全く同じ。

 

疲れたから明日やろうなんて思った瞬間に

 

次回の負けが確定すると思っていて間違いない。

 

 

感想戦の始まりのことばがある。

 

敗者の「負けました」ということばだ。

 

そこからは、敗者も勝者もなく、

 

次に向けてもっと良い手を模索してともに一生懸命検討する。

 

失敗してもいい。負けてもいい。

 

失敗や負けの意味を自分で見出し、

 

次への糧とできればいい。

 

 

 

 

普段の努力と

 

テストの解きなおし。

 

ここを改善することで

 

成績が向上する生徒は多い。

 

もし、思い当たるところがあれば

 

すぐに改善してみてほしい。

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