当日
公立高校入試の朝は
駅や高校の校門付近にいるのが普通だった、
一昨年までは。
しかし、コロナ禍の中、
私は自宅にいる。
窓の外を見ると今年は本当に天気に恵まれたなと思う。
受検生たちの日頃の行いがいいからだろうか。
さて、うちの塾生たちのことを思う。
今ごろ朝ごはんを食べているかな、
今ごろ駅について電車を待っているかな、
今ごろ学校に到着したかな、
今ごろ着席して学力検査の説明を受けているかななどなど。
保護者の方から無事会場入りしたとの連絡をいただいた。
その受検生の表情を思い浮かべる。
少し緊張気味かな。
でも、昨日は「トップで合格します」って言っていたから大丈夫。
生徒たち一人ひとりの表情を思い浮かべる・・・・・
ムムム、みんな緊張の面持ちだ。
でも、この日のために
積み重ねてきたものがある、
緊張の面持ちではあるが受験生のオーラもプンプンと放っている。
だいじょうぶ。
いつも通りでやればいい。
テレビをつけてみる。
朝ドラ。
番組の最後のあたりで印象的なセリフが耳に残った。
「後先考えないくらい夢中になれるものを見つけたから・・・・・」
このセリフの主の場合、夢中になれるものは時代劇なのだが、
ふと受験生たちのことが浮かんだ。
受験生たちの多くは夢中になれるものをまだ見つけていない。
いや、むしろそれを見つけるために進学をする人も多い。
その進学のために夢中で頑張ってきた。
ドラマの中の「後先考えない」というのは、
目の前のことに真摯に取りくむということだ。
今、目の前のことを頑張れないと、未来でも頑張れないということでもある。
後先考えず、今を精一杯取り組みつづけていくことで自分の未来を変えるのだ。
入試は目的でなく手段だ。
進学先で
後先考えずに熱中できるものを見つけてほしい。
今まで高校受験のために
後先考えず熱中してきた受験生もいる。
明日からは
大学受験のために後先考えず熱中するのもいい。
そして3年後は大学受験の先に熱中するものを見つければいい。
それは目の前にあるはずだ。
さきほどの朝ドラの主人公にとってのそれは時代劇だった。
しあわせの青い鳥はすぐ近くにいたように
熱中できるものもすぐ近くにある。
だから、人生のどんなステージにおいても
後先考えず熱中できるものに向かう人は
最良の結果を手にすることができる。
後先考えずがんばった人には
必ずその人に一番いい結果が用意されていると思っている。
私はそう思う。
もし、うちの受検生がこれを読んでいるとしたら
受検が終わった後だ。
一言だけ言っておきたい。
おつかれさま。