奇跡
古代ギリシャの哲学者プラトンは「人間に生まれたこと」を喜んだ。
そして「アテネの市民に生まれたこと」
さらに「ソクラテスの弟子になったこと」を
「ありがたい、じつにありがたい」と感謝するのが常であったという。
人との出会いは奇跡のようなものだと
私は思う。
人として生まれることは
三千年に一度しか咲かない
優曇華の花にあうように難しいと
仏典に書かれているそうだ。
そうだとすれば
人として生まれ
出会い
ともに同じ時間を過ごすなんてことは
例えることが難しいくらいの奇跡ではないか。
今日、合格を伝えに来てくれた生徒がいる。
うちの塾がオープンしてすぐに問い合わせてくれた
最古参の塾生だ。
あのときは小さかった身長も
今では私よりも大きくなった。
「合格しました」
そう言った彼は一回り大きく見えた。
「おめでとう」
もっと気の利いたことを言ってあげればよかったけれど
それしかでてこなかった。
でも、本当におめでとう!
3年後は想像もつかないくらいに
成長して
進路の報告に来てくれる
そう信じている。