地図
江戸時代の村々では
地図にあたる「村絵図」を作った。
合わせると「国絵図」になり
さらに集成すると「日本総図」になる。
だが、その精度は
同時代に伊能忠敬が作製した
日本地図に及ばなかった。
忠敬が用いた測量法は
工夫こそ凝らしているが
当時の一般的な方法で
技術には大差ない。
では何が違ったか。
それは
“志の大きさ”
であるという。
忠敬は
「地球上における
日本の位置と形を
明らかにしようとした」
気宇壮大な忠敬は
一方で
実際の仕事は丁寧だった。
現地を自分の足と目で測量した。
調査の及ばなかった場所は
地図には書かなかった。
志は大きく。
どんな小さな仕事も誠実に。
それが
“大きな仕事”
につながる道だろう。
本年は忠敬の生誕280年の節目を刻む。
地図は古いが
彼の生き方は古くない。
私たちも学べることは多いはずだ。