司法試験最年少合格者に学ぶ
18歳で司法試験に合格したのは大学1年生。
挑戦のきっかけはいくつかある。
まずは1冊の本。
憲法改正に興味を持ち
この本を読んだという。
次のきっかけは
学校で行った裁判の傍聴。
「これはフィクションではない。
本当に起きた事件が、目の前で裁かれているんだ」、
一人の人間が法によって裁かれている現場を目の当たりにしたことだ。
その後は、学校の授業がない夏休みや春休みなどに通うようになった。
朝に一人で行き、
昼になったら裁判所地下のフードコートのような大きな食堂でご飯を食べる。
そして午後にまた傍聴して、夕方に帰る…というようなことをしていたそうだ。
そうしているうちに
「司法に参画したい」
「将来は法律家になりたい」
という自分の気持ちにも気づき、受験しようと決めた。
高1の(2019年)2月から、
司法試験の受験指導校で学び始めた。
高3で予備試験合格。
翌年に司法試験合格。
合格するための勉強法は3つだという。
一つは〈セルフレクチャー〉というやり方。
声を出して自分に講義することで復習する勉強法だ。
テキストを開き、
「今日は△△という単元を進めよう」
「この言葉の定義は○○だ」
「□□という判例があって」などと、
ぶつぶつ言いながらやります。
自分が本当に理解しているかどうかがよくわかり、
文章の読み飛ばしもなくなる。
それに、「なぜこういう結論になるのか」
みたいなことも同時に思考できる方法だ。
二つめは〈寝る前5分間は暗記の時間〉と決めて、毎晩必ずやること。
三つ目は〈スキマ時間の活用〉で、
電車通学の片道20分に○×形式の正誤問題をこなしたこと。
いずれも「驚くべき勉強法!」というわけではない。
通っていた塾の最初の講義で教えてくれたやり方なのだが、
その時に
「たぶん今日、セルフレクチャーも寝る前の5分の暗記も、
ほぼ全員がやるでしょう。
1週間後にやってくれる人は半分ぐらいかな。
1年続く人は1割もいないです」と言われたという。
さらに続けて、
「でも、こういうことを真面目に続けた人が受かる試験です」と。
そこで自分は変に意地になって「絶対1割に入ってやる」と思い、やり続けたという。
私はこの人のすごいところは2つだと思う。
一つ目は
興味を持ったことに面倒くさがらず、手間をかけるということ。
憲法改正のニュースを見て
普通だったら見てそれだけだ。
よくて、ネットで調べる程度。
でも、この人は本を読んだ。
裁判傍聴もそうだ。
興味があれば足を使う、時間をかけることは大事。
もう一つは、
継続したこと。
1年続く1割の人間になってみせると思って続けたこと。
何事もそうだが、続けることが一番大変なことだと思う。