反目

4千年の歴史を持つ囲碁。

 

黒白の石で攻防が繰り広げられ

 

最後に、自陣の多い方が勝つ。

 

碁盤の目を「一目」と数え

 

引き分けをなくすため

 

最小差は「半目」と決まっている。

 

棋士の世界では

 

この半目をめぐり

 

数多くのドラマがあった。

 

 

 

 

 

1978年の「棋聖戦」

 

52歳の王者に対し

 

挑戦者は30歳の加藤正夫氏。

 

若さと勢いにまさる加藤氏が

 

7番勝負で

 

先に3勝。

 

“あと1勝”という時

 

王者は

 

驚異的な粘りを見せた。

 

連勝で挽回し

 

最終の第7局

 

何と

 

「半目」の差で

 

逆転勝利。

 

加藤氏はタイトルを逃した。

 

 

 

 

 

200手以上の打ち合いの末

 

勝負は

 

わずか半目差で決まった。

 

加藤氏は帰路の途中

 

終盤の局面を思い起こしながら

 

はっと叫んだ。

 

「気合いと執念の差だった」

 

 

 

 

 

のちに加藤氏は

 

「十段戦」に臨んだ際

 

すべての勝利を

 

半目差で制して

 

タイトルを取り

 

“奇跡的な勝利”と絶賛された。

 

「半目」の厳しさを

 

知り抜いたからこそ

 

栄光をつかみ取ることができたに違いない。

 

 

 

 

受験でも

 

合否のボーダーライン上には

 

多くの人がひしめき合う。

 

あと一問

 

あと一点

 

そんな想いで

 

行動するところに道は開ける。

 

わずかの差で

 

大きく変わるのだ。

コメントを残す

雑感

前の記事

危機とチャンスNew!!