勉強し続けるという才能
作家の井上靖氏は自伝的小説の中で、
小学生時代、野山を駆け回る少年だったと記している。
しかし、一方、息子の修一さんが
叔父から聞いた話によると、
井上氏は座っていた畳がへこむほどの
勉強家だったという。
修一さん曰く、
父の井上氏は
「才能に恵まれて後に小説家になったのではなく、
才能はあったかもしれないが、
子供の頃からずっと勉強を続けた末、
幸運に恵まれて世に出たのである」
勉強し続けるということ自体、氏の才能の一つだったにちがいない。
才能は、人生において、どう花開き、
実を結ぶか分からない。
ゆえに、一時の成功や失敗をもって、
才能の有無を言うのは浅はかだろう。
大切なのは、誰でも才能が芽吹き成長する可能性の大地を、
自分の中に持っているということだ。
ちなみに、私の経験上、
受験で成功するための一番の才能は
井上氏のように
勉強をし続けることだと思っている。