分母と分子が同じ数ならば

小学3年生の生徒。

 

苦手意識の残る分数のテストがあるということで

 

復習することにした。

 

授業中とてもしっかりとがんばってくれた。

 

次回の授業で

 

分数のテストはどうだったと聞くと

 

「95点だった」と少しはにかんで答えてくれた

 

何をまちがえたのか聞いてみると

 

1と書くところを

 

5分の5って答えてしまったとのこと。

 

授業中に克服できたはず・・・

 

と思いつつ

 

これからは気をつけようと声をかけた。

 

はい、と答えたその生徒は

 

いつもよりすこししっかりして見えた。

 

 

 

 

 

小3で習う分数では

 

分母と分子の数が同じならば

 

1としなければならない。

 

1分の1と100分の100。

 

算数では、どちらも同じ「1」

 

だが

 

人間の世界では大いに違う。

 

実はギター作りの話。

 

職人1人が全工程を手掛けることを

 

「1分の1」

 

100人が各工程を担当することを

 

「100分の100」と表現する。

 

職人1人が作るギターには

 

1人の経験や技術だけが込められる。

 

一方で「100分の100」の魅力は

 

それぞれに特化した専門知識と技能を

 

結集できることだという。

 

各工程の担当者が力を注ぐほど

 

ギター「1本」が、違う「1本」になる。

 

そして「分母の数が大きくなればなる程、面白みは増していく」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

今、子どもたちに必要な力は

 

分母と分子の数を限りなく大きくしていくことだ。

 

文科省も重視している「協働的」な学び

 

これは今後特に重要になってくる。

 

国籍、人種、性別、、信条、宗教など

 

さまざまな違いをこえて

 

力を合わせていかなければ

 

人口減の社会では成長することができないからだ。

 

 

 

 

 

ともすれば

 

違うことをよしとしなかったり

 

価値観の違いなどから

 

排他的になったりしてしまいがちだ。

 

あんなやつといっしょにやるくらいなら

 

ひとりでやった方がましだ

 

そう思うことがあるかもしれない。

 

でも、ほんとうにそうしてしまったらダメだ。

 

ちっぽけな自分一人の枠を超えた

 

大きな成果をあげることが不可能になってしまうからだ。

 

だから、違いを受け入れて

 

理解し合い

 

そして協働していく力

 

これこそが

 

未来を生きる子どもたちが身につけていくべき

 

本当に大切な力なのだ

 

わたしはそう思う。

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