二人の天才
パブロ・ピカソが生涯で制作した作品の総数は
約15万点にのぼるといわれている。
この膨大な作品数により
彼は「最も多作な芸術家」として
ギネス世界記録に認定されている。
一方、絵画だけでなく多彩な創造の巨人レオナルド・ダ・ビンチ。
彼が生涯に残した絵画は「モナリザ」「最後の晩餐」など
たったの10点あまり。
〝創造の巨人″としては、意外に少ない。
しかし、レオナルド・ダ・ビンチの観察ノートともいうべき「手稿」がある。
現存するだけでなんと8000ページにも及ぶ。
当時の紙の表裏にびっしりと描かれた思索の証である観察メモとスケッチ。
天文、解剖、建築・土木、地球物理など万般にわたり
彼の探究の眼がいかに緻密なものであったかを物語る。
世の森羅万象を見通すあくなき探究心が
万能の天才を生んだ。
どちらの天才の辞書にも
「停滞」という言葉はない。
日々精進の歩みを、生涯貫いたという点では
同じである。
小中学生がやっている学習は
生涯貫く必要はない。
いや、むしろ貫くべきではない。
人生の次のステージに進んでいくべきだ。
しかし、日々精進の歩みを続けていくという点は
2人の天才から学び取ってほしい。