一歩一歩
受験生は今、自分の志望校合格に向かって日々努力を重ねている。
来年の春から始まる新たな学校生活を思い描いて。
だから、受験生活を冬に例えることもある。
ドイツの文豪ゲーテは言った。
「いつかは目標に通じる歩みを
一歩々々と運んでいくのでは足りない。
その一歩々々が目標なのだし、
一歩そのものが 価値あるものでなければならない」
ゲーテにとって、師・ヘルダーとの出会いは、
人生を決める大きな一歩だったに違いない。
ヘルダーの教え方は厳しかった。
ゲーテの意見に見栄や虚飾を感じると、
容赦なく辛辣な言葉を投げつけた。
だがゲーテは、自己満足や虚栄、高慢など
心中に巣くっていたものが 厳しい訓練の中で抑えられた、
と後に感謝している。
学校に誇りを持つことは結構なことだ。
そして、自身の学生生活を大いに充実させてほしい。
ただし、学校が見栄や世間体のためのブランドだけになってしまったら、
そこには価値がなくなってしまうのだ。
なぜなら、ブランドならば
入学時に手に入ってしまうからだ。
だからそこでおしまい。
目的達成になってしまう。
そこから始まるはずの成長の物語が
始まらないからだ。
始まるのはせいぜい堕落の物語だろうか。
合格してから成長が始まるのではない。
合格するから成長するのでもない。
いまこそが人生の成長のときだ
そんな気持ちで日々過ごしていくなかでこそ
本当の成長がある。
さて、話は変わって、パンフレットの話。
塾説が続いている。
会場でパンフレットに目を通していると、
教え子が出ていることがある。
名前入りで発見。今年2人目だ。
頑張っているなあ、と自分のことのように誇らしい気持ちになる。
これって塾講師あるあるかな。