ゴール
陸上競技を見て、ふと思った。
マラソン競技の優勝者はゴールテープを切るのに、
100メートルや400メートルリレーなどの競技にはテープがない。
短距離走はレースの最終盤までもつれ、
僅差で勝負がつくため、
ゴールの瞬間の写真判定に、より正確を期すためらしい。
さらに興味深い話を、陸上競技経験者に聞いた。
短距離選手はゴール地点ではなく、
ゴールの少し先を見据えて疾走するという。
ゴールそのものを目指すと、
“あそこで終わりだ”と、ゴール寸前でわずかに速度が落ちてしまう。
彼いわく「ゴールは通過地点。加速しながら駆け抜けるんです」と。
なるほど、陸上でも受験でも同じだ。
先日、教え子が遊びに来てくれた。
中学時代は陸上部とサッカー部の体育会系のガッツあふれる高校生。
マスクしていてわかりにくいのだが、
二人ともイケメンだ。
1人は学年1ケタ、もう1人は・・・・やればできる子。
今年は大学受験生だ。
どちらも都の西北に行きたいとのことだ。
2人とも県内屈指の進学校に通っている。
どちらの学校からも毎年早稲田大には多くの合格者が出ている。
学年1ケタの子はその学校でも一番上のS類というコースに在籍し、成績はトップレベルをキープし続けている。
やればできる子も、県内公立共学のトップ校の普通科のほうに通っている。
ラグビー部所属のため部活動は秋以降まで続くのだという。
昔話に花が咲き、気が付くと深夜まで話し込んでいた。
二人とも志望校に合格してほしいと心から願う。
そして、合格は通過地点。加速しながら駆け抜けてほしい。
ひとつアドバイスをさせてもらうと、
本当にやりたいことは今はまだ見つからないのが普通だ。
本格的な学問の世界に入る前から将来像は見えなくてもいい。
それを考えながら自分と向かい合っていく。
その過程こそが大切なのだから。
きっかけはなんとなくで結構だ。
だからこそ入学後に過ごす時間がとても大切なのだ。
今は都の西北のスタートラインにつかせてもらえるための努力を惜しまずにすること、それに尽きる。
応援しています。