はかりと物差し
はかりは、物の重さを量れるが、
自分の重さは量れない。
物差しは、物の長さを測れるけれども、
自分の長さは測れない。
江戸時代の儒学者・佐藤一斎の言葉である。
含蓄があると思う。
他人と比較することで、
自分を知ることはできない。
当たり前の話だが、
ともすると忘れがちだ。
数値だけで「人間」を推し量ることはできない。
人が秘める可能性の力は多彩だ。
歴史に名を残したチャーチルやガンジー、
アインシュタイン、レントゲンなどは、
若いころは落第生だったり、
劣等生だったりしたという。
しかし、彼らには共通することがあった。
それは「自分で自分をあきらめなかった」ということ。
決して自分を小さく量ったりはしなかったのだ。
よく「自分はまだまだ」と言う。
私たちは、その言葉を、
自分で自分に見切りを付ける時に使いがち。
そうではなく、着実に粘り強く前へ進もうとする「不屈の言葉」にしたい。