きっかけ
今年は民俗学者・柳田國男氏の没後60年にあたる。
兵庫県福崎町には、氏の生家が移設・保存されている。
氏が自ら「日本一小さい家」と述べるほど、幼少期の生活は貧しかった。
9歳の時、現在の加西市に移り住み、飢饉が起こる。
約1カ月の間、おかゆだけの生活を送ったそうだ。
この飢饉は、「私を民俗学の研究に導いた一つの動機」と氏は振り返っている。
大学で農政学を学んだのも農民たちに対する思いからだ。
兵庫での経験は氏の人生と思想に深い影響を与えた。
自分の進む道を決めるきっかけが少年少女期にある偉人は数多い。
あの時の想いを持ち続けているのだろう。
柳田國男少年もそうだった。
そして、一生懸命に学び、
出会いを大切にし、
立派な学者に成長した。
きっかけはいつだって、どこだって見つけられるはずだ。
自分の進む道を見つけたいと願う気持ちさえあれば。
そして、そのきっかけこそが
今、ひたむきに学ぶ理由になるのだ。
勉強するやる気が出ませんと嘆いている人は
このことを理解したほうがいい。