いのちを育む
肥料と農薬を使わない、おいしい果物・野菜作りを提案・実践する農学博士がいる。
植物が持つ本来の力を最大限に引き出す自然農法で、
持論は「いのちは上へ上へと伸びる」だ。
例えば、果樹の剪定(枝を切る作業)は、
新しい芽が上へ上へと伸びるように行う。
植物ホルモンのバランスを整え、
いのちの力を引き出す大切な作業だという。
彼は国内のみならず、海外へも農業技術指導に赴き、
実績を重ねている。
ある教育セミナーで、教師や大人に望まれる、
子どもへの五つの関わり方を紹介していた。
①信じぬく
②ありのまま受け容れる
③励まし続ける
④どこまでも支える
⑤心をつなぐ
膨大な教育実践記録を分析した結論という。
講師は訴えた。
「一生懸命に生きていない子どもなど、ただの一人もいません。
今がどんな状況であろうと、必ず変わります」
農業と教育に、共通しているのは、「いのちを育むこと」。
大切なのは、「いのちの力」を信じ抜き、
どこまでも関わり続ける忍耐と努力だろう。
時間はかかるかもしれないが、
心を砕いた分だけ、必ず結果は出る。
私がいのちにある「宝」を疑わない限り、いくらでも伸ばしていけると確信している。