本当の褒め方
昭和40年代の初め。
業務用の大型炊飯器の試作品が完成し
技術者たちが本社の重役会議に臨んだ。
操作や水洗いも簡単になった画期的な新製品。
だが重役陣の反応はいまひとつ。
やがて昼になり
弁当が配られた。
そこには試作品で炊いたご飯が。
そのご飯をおかわりした人が
一人だけいた。
創業者の松下幸之助氏だった。
「この炊飯器のご飯
おいしいな。
もう一杯おかわりを」
食が細いはずの人。
その一言は
技術者たちにとって
どんな激励や褒め言葉よりも
うれしいものだった。
子どもたちを大げさに褒めるとき
「わざとらしい」
と言われてしまうことがある。
褒め方はとても大事だと思う。
時には
子どもの人生を左右することもあるくらい。
もっと褒め方が上手にならなければ
そして
褒めるべきポイントを見逃さないようにしなければ。
あの経営の神様のように。