将棋

今回は将棋の話です。

 

やったことのない人も興味のない人も多いと思います。

 

私はここ何年もやっていませんし、

 

だからやり方を覚えている程度の腕前です。

 

 

 

将棋の発祥は、これまでギリシャ起源説、

 

エジプト起源説などさまざまな説が唱えられてきました。

 

しかし、近年の研究によれば将棋の起源は、

 

B.C.200年~A.D.300年の時期に、

 

古代インドにおいて遊ばれた

 

チャトランガという四人制のさいころ将棋であるといわれています。

 

このチャトランガが西流してチェスに、

 

東流して中国象棋や日本将棋に姿を変え、

 

世界各国に広まったと考えられています。

 

 

 

山形県天童市では

 

将棋のコマの約95%が生産されていることも有名ですね。

 

 

 

将棋を職業とする人のことを棋士(きし)と呼びます。

 

現在160名ほどのプロ棋士がいるそうです。

 

彼らの収入は

 

日本将棋連盟から支給される「基本給」と「歩合給」など。

 

プロ棋士の平均収入は年600~700万円程度らしいです。

 

コンピューターが人よりも強くなる前は1000万円くらいだったので、

 

コンピューターが強くなったことで、将棋界の収入が減ったのでしょうか?

 

興味がある人は調べてみてください。

 

 

 

 

さて、機先を制して優位に立つことを

 

「先手を取る」といいます。

 

将棋や囲碁で、先に手を下ろす方を

 

「先手」というところから転じた言葉です。

 

「先手必勝」という言葉も将棋から来ていて、

 

勝負事は先手を取れば必ず勝てるということですね。

 

これらの言葉にあるように、

 

将棋だって学習だって、「先手」のほうがいいと思いませんか。

 

みなさん、どうでしょうか?

 

学校生活においても人生においても

 

「しまった! 後手を踏んだ」

 

と悔やむ局面があることでしょう。

 

教育においても、「もっと小さい頃から・・・・」

 

なんて言葉も耳にすることがあります。

 

早期教育も確かに効果的です。

 

中には胎教(胎児の頃から教育すること)から始まり、

 

幼稚園入園前から早期英才教育を始めるご家庭もあります。

 

「大器晩成」という言葉が死語になったのか、

 

と思えるくらい、

 

早くから優劣をつけてしまうことが多くなっています。

 

若いうちから「勝ち組」「負け組」と呼ぶ風潮はそのことを象徴しているのでしょう。

 

では、現代においては、教育も人生も「先手必勝」なのでしょうか?

 

 

 

 

しかし、後手にも勝つ道はあるのです。

 

将棋の世界では、それが研究されています。

 

後手から勝つための方法とは

 

「攻める姿勢」を貫き、

 

決して諦めることなく、

 

勝機が見えるまで努力し続けることだといいます。

 

また、将棋の世界には、

 

「名人に定跡なし【めいじんにじょうせきなし】」

 

という有名な格言もあります。

 

定跡とは、物事をするときの、

 

最上とされる方法・手順のことです。

 

この格言は、将棋の名人が定跡だけに頼らず、

 

自ら多くの手を読んで指すことを意味します。

 

そして定跡ばかりを鵜呑みにすることへの

 

戒めに使われています。

 

 

小さな頃から学習習慣を身につけて日々積み重ねていくことは効果的です。

 

これは教育界の定跡でもあります。

 

しかし、分かっていても実際に取り組み始めることが出来ずに

 

後手に回ってしまっている人もいるはずです。

 

そんな人は、後手から工夫を重ねて、

 

積極的に攻めて、定跡を覆し、そして勝ちましょう。

 

勝つというのは、結果を出すことだけでなく、

 

弱い自分自身に克つということでもあります。

 

 

 

かつて羽生善治名人がこんな事をおっしゃっていました。

 

「勝ち負けだけを争うものなら

 

将棋にそれほどの価値はない。

 

思いがけない発想やドラマチックな逆転が共感と感動を呼ぶ。

 

感動的な俳句を作れないように、

 

コンピューターに人間の共感を得られる将棋は指せません。

 

(人がコンピューターに負けた)今も人間同士の対局を楽しむファンの数は減っていませんよ」

 

将棋にも人生と同じところが多々ありますね。

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